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11歳以下は脳・神経系を鍛えて運動神経を向上させよう


多くの人が、小学生のトレーニングはどう指導したらいいのか疑問に思っています。重りを使っても良いのか、激しい運動をしてもいいのか、野球、サッカー、など部活が始まりレギュラーにさせたいと思う親御さんも沢山いる事でしょう。

また、特定の能力が上達しないから繰り返し強制的に指導をする。そんな傾向も以前はありました。現在では、部活とか習い事とは別に自主練などのトレーニングをしていない子でも運動神経が良くてレギュラーになれる子もいます。

子供には怒らずに、そして楽しく運動させる事で運動神経を向上させることができれば、スポーツ全般的なオールランドプレイヤーになれる事でしょう。

実際に、11歳は根性や力強さが身に付きにくく、身長もまだ低いです。そんな時期には、いろいろな動作に挑戦させることが大切です。オリンピック選手のメダリストで実際にその種目を始めたのが中学や高校からという選手も少なくありません。

そこで今回は11歳以下の子供の運動神経を上達させる為のヒントをご紹介します。野球、サッカー、バスケ、陸上などのスポーツをやっているけど、いまいち成績が伸びない方はこれからお伝えする事をお役に立てていただければ幸いです。

全国レベルに育てるための指導10則

子供の運動神経の発達は園児から小学生のうちに対策しましょう。この時期はほとんどの子が親御さんの意見で、どんなスポーツに携わるかが決まります。特定のスポーツに固執する場合が多く、頑固な親御さん、指導者が多いのも事実です。

習い事など各スポーツをするにあたって共通する事があります。それは、基本動作の習得です。例えば、サッカーやソフトボール、バスケットバールでも、片足立ちや片足立ちでジャンプ、ケンケンなどは共通したトレーニングとしてとても大切です。

しかし、指導を行う上で、小学校の部活は3年、中学校3年と考えると、ルールや基礎を教える事だけであっという間に期間が終わってしまいます。そのため、なかなか良い指導が出来ません。

そこで、指導者が3年という短期間でより効率的に指導できるような指導の考え方をお伝えします。以下の指導10則により運動神経向上が期待できます。

① 子供達の異なる成長スピードを考慮しながら指導する。
② トレーニング自体が特定の好きなスポーツのためだけではない事を指導する。
③ オーバートレーニングにならないように指導する。
④ 楽しくて、面白くて、やりたくなる様なメニューを指導する。
⑤ 男女の性別に考慮した指導をする。
⑥ 疲れて、やりすぎて燃え尽きない様に指導する。
⑦ トレーニングの事でプレッシャーを与えないよう指導する。
⑧ 体験したことない動作を指導する。
⑨ 結果よりも目的を達成することに考慮した指導をする。
⑩ いつでも、どこでも出来る、再現性のあるメニューを指導する。

上記10則を簡単に説明します。①の子供の成長スピードは個々に違います。成長スピードとは、身長や体重などの体の変化です。目安として第二次性徴期があります。性徴期に入る時期が男子平均11歳6ヵ月で女子が平均10歳0ヵ月です。

ちなみに、この時期に入る前に基本動作を身に付けなければなりませんので、運動指導のメニューを変化させねばなりません。動作の習得は8歳位をピークに下がっていきます。

例え下がっていても気にすることはありません。やらないよりやった方が良いです。基本動作の内容は平衡系の動作(バランス、ひねるなど)や、移動系の動作(上下動作、跳ぶなど)、操作系の動作(投げる、打つなど)などがあります。

②のように特定なスポーツだけを目的としてトレーニングをすると、他の動作を習得できない可能性があります。私自身が教えている子の中で、100m走でジュニアオリンピックに出場してもバランスが悪いとか、市のマラソン大会で1位でもボールが投げれないなど、特定の種目しかやっていない子は非常に惜しいです。

③のようにオーバートレーニングになると成長の妨げになります。疲れてしまい、家に帰って食事を摂らずに寝てしまう様な状態では、体が疲労を蓄積させるどころか、身長の伸びも妨げます。

④のように楽しいと思える状態でトレーニングができれば、脳の回路の中でA10神経というところが活性化され、快楽を感じて目的としている効果が出しやすいと言われています。楽しくないと、このA10神経はあまり活性化されません。

⑤のように男女差というのはホルモンの違いがあり、女の子は皮下脂肪が付きふくよかになり、男の子は筋肉が発達してきます。出来たことが出来なくなったり、出来なかったのができる様になったりと、様々な変化が現れます。そこを見極めて指導する事が必要です。

⑥、⑦のように、プレッシャーを与えたり、激しいトレーニングを続けると燃え尽き症候群になる場合があります。頑張って期待されて望んでも結果が出なかったり、繰り返しのストレスで意欲を無くしたりします。肉体や精神のストレスを与えない配慮をする必要があります。

⑧のような体験したことのないような動作というのは、親御さんに「危ないからやめなさい」と、止められるような遊びといえばわかりやすいでしょう。例えば木登りとか、高いところから飛び降りるなど、ぎりぎり怪我をしないように努めながらやることで運動神経を高める事が出来ます。

⑨のように結果よりも目標というのは、優勝しなくても自分の立てた目標を達成すればいいという事です。例えば、陸上では、1位ではなくタイムを0.1縮める事を目標にしたり、野球であれば、あのピッチャーから3本ヒットを打つなどです。

⑩のように、自宅でも出来る再現性のあるメニューを考えれば、いつでもどこでも運動神経を伸ばす事が出来ます。そうすることで、習い事や部活では具体的な種目の授業を受け、休みの日や部活が終わった後などに自宅や近所の公園で基本動作を含めた楽しい遊びが出来るのです。運動神経を発達させるのは、部活や習い事で教えなくても日頃の過ごし方や遊びで教えればいいのです。

そのようにした場合、お父さんやお母さんでも十分に指導者になることができます。では、具体的に自宅では何をしたらいいのか以下に説明していきます。

自宅で運動神経を向上させる方法


自宅ではなかなかトレーニングはできないのが現状です。どうしたらトレーニングが出来るのか。それは、普段の日常生活で何気なく使っている物でトレーニングすればいいのです。

例えば階段。階段がある家の場合、いつも通りの上がり方をすると、体は上がる方に向いていると思いますが、それを横向きで上ったり、後ろ向きで上がったりするだけでいつもと違う筋肉を使い、基本動作の向上につながります。

また体を少しひねりながら弾むように上がっていき、横の壁を軽くたたきながら進めば平衡系、移動系、操作系を同時に鍛えることができるます。

階段以外にも色々あります。リビングに置いてあるソファーを使う場合、立ち上がるときに片足で立ち上がったり、座るときに片足立ちでゆっくり座るだけでも基本動作になります。立ち上がるときに片足でついでにジャンプするのも面白いかもしれません。

公園で運動神経を向上させる方法


小学生の子供たちが楽しく運動を継続する場所、気が付かないところで、運動神経の向上を一躍担っているところ、それが公園です。公園は宝庫です。都会の公園と田舎の公園では違いますが、遊具だけでなく、木、砂場などがあります。

例えば、遊具を使って運動神経を向上させるにはどうしたらいいのかを説明します。基本動作の習得を考えた場合、体験していない動作をすると経験値が上がり身に付くと考えると分かりやすいでしょう。

まずは、ブランコ。ブランコはほとんどの方は普通に乗って揺らします。もちろんこれで楽しい訳ですが、これではいつもの動作になってしまうので、ブランコから降りて隣り合うブランコをすべて揺らします。

その揺らしたブランコの横を通過しながら避ける遊びをするのです。ブランコに当たると怪我をする可能性はありますが、不規則に動くので動きの予測も含めたトレーニングとしては面白いと思います。

次に滑り台。滑り台は階段上がって普通に滑ると思いますが、トレーニングとして使う場合には階段上がるときに手すりを持たずに上がったり、滑る途中でブレーキをかけたり、滑っている最中に友達にボールを投げてもらい、捕って投げ返したりするのも良いです。

挙げたらきりがないので、もう一つ。シーソーです。シーソーは普通は座って行いますが、立って行うとバランストレーニングになります。そして、立ったままシーソーが地面と平行になる様に維持できれば非常に良いバランス能力を持っていることになります。

また、木々の間をジクザクに走ったり、危ないけれどもブランコの周りにある鉄の柵の上に立ちバランスをとりながら渡るなど数えきれないほどの動作を身につける事が出来ます。

変質者が出るからとか、寒くて風邪ひくからとか、そこを登ると危ないからやめなさいとか、親御さんが止める場合がありますが、その一つ一つが子供の可能性を伸ばせない一つの原因になっている事も大いにあることを忘れてはいけません。

怪我をしないようにギリギリのところでルールを守り、子供のやりたいようにやらせてあげる事が運動神経向上に結び付きます。

まとめ

11歳以下で脳・神経系を鍛えるためのポイント
・全国レベルに育てるためには指導者の考えが重要です。
・自宅で運動神経を向上させる方法として階段など普段の何気ない動作をアレンジする。
・公園で運動神経を向上させる方法として遊具の使い方を変える。

指導者が子供の運動神経を向上させるための方法を知らないと最大限に能力を引き出せない。逆に知っていれば優秀な選手を育てる事が出来ます。

自宅や公園や帰り道などで運動神経を向上出来る動作が沢山あるので、普段からトレーニングができ、レベルアップできるチャンスがどこにでもある。

例えば私の指導経験上、陸上のタイムを向上させたければ、まず、タイムを計り公園にて色々な遊具で運動神経を高める様にいつもと違う動作を疲れない程度に行った後にまたタイムを計った場合に上がっているケースが多いです。

部活や習い事の時間に集中してやり切る事も大切であるが、それ以外の時間と環境が基本動作を身に付けるためには重要であると言えます。